駄・ウォッチ(変態的時計趣味人) Session 6 ~愛しのトイ・ウォッチPart.2~



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今回は、引き続きトイ・ウォッチについてお話させていただければと思います。実はだいぶ以前ですが、私が時計の仕事を始めてまだ間もないときに、この時計を作りたいと考えていたことがあります。

といっても、トイ・ウォッチを作るのではなく、この雰囲気を再現して本物の時計として動かしたいと思ったのです。つまりこのトイ・ウォッチのチープでレトロな雰囲気をそのまま再現し、しかもホントに使える時計にしたかったのです。

もちろん課題も数多くありました。いくらチープな雰囲気でも毎日着用して使用するわけですから、それなりの強度や丈夫さも必要です。本当のムーブメントを仕込むわけなので、重みも出てしまいます。

とにかく私は、このトイ・ウォッチを作っていた工場を探しまくりました。昔は東京の下町の小さな工場でたくさん生産されていたとの話を聞いていたので、必ず型を持っている工場があるのではと、探したのです。しかし、結局ひとつも見つかりませんでした・・・

そんなわけで、この計画は残念ながら実現しませんでした。

写真

12ヶの時計が台紙にディスプレイされている私の自慢のコレクションのひとつ。

 

それからしばらく後に、私は手作りの時計でティン・トイシリーズを作りました。キッチュな雰囲気を演出するために、なるべく薄めの真鍮板を用い、内部は2重構造にして、焼付け顔料で塗装して製作しました。このシリーズは大人気でした。もう10年以上も前に製作は中止しましたが、また将来バージョンアップして再びリリースしたいと思っています。

ところで、よく「本物志向」なんて言葉を耳にしますが、この本物って実は、そう簡単に定義できるもんじゃないって私は思ってます。時計にしろなんにしろ、出来るだけコストをかけ、手間をかけ、あらゆるものをつぎ込んでモノを作る。そして結果としてきわめて高価な価格になる。いろんな意味で何でもかんでもゴージャスなものこそが「本物」であるとは、私は考えていません。

その考えは私が始めて世に出したペーパークラフト時計をごらんいただければお分かりいただけるのはと思います

写真B 写真C
いい雰囲気でしょっ!?

このトイ・ウォッチはまだ日本が決してハイテクとは言えない時代に小さな町工場で作られていたものに間違いないのですが、この雰囲気、テイスト、キッチュさは、私にとってきわめて魅力的なまさにホンモノのグッズなんです。若い世代のなかでこのトイ・ウォッチの魅力に気づく方がたくさん生まれてきてくれたら、と願って止みません。

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