アナログとデジタル、どっちを選ぶ?



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私やJHA所属の時計作家たちが作っているのは圧倒的にアナログ時計、つまり針が文字盤上を回転して時間を表示する方式の時計が多いのは云うまでもありません。

私が現在製作している物のほとんどはアナログ方式の腕時計です。以前はデジタル表示のLEDやLCDの時計を数モデル作っていました。

さて、アナログ時計とデジタル時計をちょっぴりあらたまって見直してみることにしたいと思います。

デジタルウォッチが世の中に登場したのが1972年。時計の革命とまで云われ、意気揚々と市場に参入してきたわけです。デジタル時計は本体を構成する主体が、いわゆる電子部品ですから、大量生産による大幅なコストダウンが可能になり爆発的に普及していったのです。

1979年と1980年の二年間の時計生産量はデジタル時計がアナログ時計を上回るほどだったそうです。そういえば私が高校生の頃、自分も含め周りの連中はみんなデジタル時計をしていたような記憶があります。

でも、その反動もあったのでしょう。今度はアナログ回帰現象が起きて、90年代にはデジタルの比率は2割程度まで落ち込んでしまいました。最近は日本国内のデジタル時計の比率は3割前後で推移してると云われています。

さて、時間の表示をする機器としてでは、アナログ時計は瞬時にアバウトな時刻を読み取ることと、残り時間を算出し、直感的に認識し易いという利点があります。一方デジタル時計は、正確無比な時刻を表示し、認識できるという点では明らかに勝っていますね。

一説によると、人から時間を訊かれたときにアナログ時計をしている場合は「8時半」と答えるのだが、デジタル時計をしている場合は「8時29分」、時として「 ・・・36秒」とまで答えてしまうと云われているんです。

また、アナログ時計は情報を読み取るときに頭の中の思考回路を働かせないと答えが出せないが、デジタル時計情報は表示の数字を読み上げるだけです。そういえば、子供の頃に時計の文字盤の針を動かす器具を使って時刻の読み方の練習した覚えもありますね。

ただし、アナログ時計は残り時間は直感的に認識できるが、デジタル時計は頭の中で逆算しなくてはなりません。また時間表示は60進法なので、10進法に慣れている頭にとっては、デジタル派はちょっぴり不利になるのです。

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これって、いわゆるニキシ管の時計。液晶やセグメントLEDが登場する前に生産されていた、いわゆる真空管方式のデジタル時計です。レトロ感があってでカッコいいです!

最近、デジタル時計の機能を左右するLSI(半導体集積回路)の容量アップやコストダウンも進み、様々な機能を持つ高機能な時計も増えてますね。アナログ時計と併用で、針が廻っているのだけど文字盤部にデジタル表示もある時計も増えている。こうなるともはやアナログ時計なのかデジタル時計なのか分かりませんね。

また、スマートウォッチのようにスマフォと連動して様々な機能を持った機器も続々と登場してきました。これなんかは単に時計というよりデジタル・ガジェットですよね。時間の表示なんてデジタル処理の情報としては取るに足らないもので、スマフォなどの機器には時計表示は当たり前のように搭載されてます。

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これは、アナログ方式のデジタル表示の時計。いわゆるアナデジ時計。円盤のディスクが回転して数字を表示して時間を読み取るわけです

アナログ時計の最大のメリットはデザインの多様性でしょう。時計の顔とも呼ぶべき文字盤のデサインで千差万別な世界観が表現でき、インデックスがアラビア数字やローマ数字、漢数字や十二支の表示かで、表情が一変する。また文字盤の製作法もプリント・刻印とかの技法の違いでイメージがだいぶ違ってくるわけで、「作品」として表現の幅が増えてくるわけです。

ですから、われわれ時計作家は、アナログ時計の方が自分のイメージや情緒を表現しやすいのですね。だからどうしてもアナログ時計の製作が中心になってしまうのでしょう。

けれど、私は実はデジタル時計も大好きで、いつも手作り時計にふさわしい作品も模索しています。アナログ的でレトロな雰囲気を持ち、デジタルの未来的なイメージが溶け合った、云わばレトロ・フューチャーな作品が理想ですが、その他にも様々なコンセプトが可能だと思います。

近いうちにデジタル方式の手作り時計の新作もご紹介できると思います。

 

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