日時計作りから学んだこと Part.2



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日時計の設計法や歴史を学ぶにつれ、私は様々なことを知り、それまでまったく考えもしなかったことに気がつき始めました。

そのひとつが「自然科学」という言葉であり、その本当の意味を感じ始めたのです。

大学生の時、自然科学は必須科目でしたが、あの当時はそんなことはまったく考えもしませんでした。それどころか、私にはこの自然科学という言葉がある種の違和感を伴って響きました。

学生の頃の私は、自然と科学はある意味対照的な、もっと云えば敵対する概念という感覚でとらえていたのです。自然というものは時として人間にとって不都合なもの。そして人間の知恵によって編み出された科学の力によって不都合な自然をコントロールする。それが科学であり、科学の進歩とともに人類は進展する・・・私は漠然とそんな風に考えていました。

emden4 87159m

それは、100%間違いではないかもしれませんが、どこかが違うと思い至ったのです。私が気付いたの「科学とは自然を知ることだ」ということです。

日時計の勉強をすることは結局、太陽と地球の相関関係を知ること、つまりは天文学であり、あくまでもこれら天体の自然の動きをを知ることに他ならないのです。

円環型日時計 KP-50

円環型日時計 KP-50

考えてみるとイギリスの産業革命の中心的技術であった蒸気機関の発明も、蒸気の沸騰がもたらす力という自然の現象を理解し、それを利用することにより人間は大きなパワーとエネルギーを得たのです。

石炭や石油などを利用するのもまったく同じで、その原料の性質を理解することから始まるわけです。

航海式日時計 KP-23H

航海式日時計 KP-23H

改めて考え直してみると、科学のほとんどはもともとこの地球上に自然の一部として存在していたものを利用しているわけで、その成分や特質を知り、理解し、それらを利用することによって何らかの作用をさせることが出来るわけです。

あの恐るべき強大なパワーを発する核エネルギーだって、プルトニウムやウランなどの核物質の性質を知ることによって実現したわけでしょう。同時にこういったものの危険性や扱うリスクも知らなければならないでしょうね。

私が以前に抱いていた自然と科学のイメージが一変したと云っても過言ではありません。つまり自然と科学は表裏一体であり、互いに深い相互依存関係を持ちながら存在する。

壁型日時計 KP-64

壁型日時計 KP-64

それが「自然科学」の根本思想であると思います。そして、もし自然を完全に破壊してしまったら、どんな科学も無力なものになってしまうのではないでしょうか。

ただ遠い未来、この地球がその寿命を終えるとき、あるいはその前に大いなる天変地異、または戦争その他の人的な破壊活動ゆえに地球に住めない状態になるか、その予兆が見えたとき、人類はそれまで積み上げてきた科学の知恵を駆使してこの地球から飛び出し、外へ生活圏を求めるのでしょうか。

他の天体も、もちろん自然の一部であるのかもしれませんが・・・

 

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