アニメ開眼の理由 Part.2



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さて、今日も私がなぜアニメに開眼したのか、その続きをお話したいと思います。

「青の6号」という小沢さとる先生の漫画がアニメ化され、それを観たのが大きなきっかけであったとお話しましたが、前回触れた通り、アニメ版では若い女の娘がメインキャラクターになっているばかりなく、潜水艦の乗組員にもたくさんの女性がおり、男たちと一緒に戦っている、まずはそれが私にとってある種の違和感でもあったのです。

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小澤(小沢)さとる先生による漫画 青の6号です

さらに、アニメ版の主人公的な役目をする小型潜水艇の若いパイロットが、これまた私にとってどうも釈然としない。これは男性なのですが、艦長に対してもきわめて態度が悪い。口数が少ないどころでなく、上官が話しかけても平気で無視する。

漫画版に登場する小型潜水艇のパイロットの少年は、艦長の前では直立不動、とてもハキハキしていて、表裏のなさそうな、いわゆる好青年。あの当時の漫画やアニメに登場する主人公クラスの少年たちは、皆そんなタイプだったと思います。

これも、大いなる違和感。そのヒーロー像がまったく違うのですね。最近では、このようなタイプのヒーローのほうが主流なのか? 私の疑問はふくらみました。

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漫画版 青の6号搭載の小型潜水艇フリッパーです。ちょっとレトロな印象

さらに、全体の設定として、青の艦隊が海の安全と平和を守るというより、アニメ版は地球自体が完全に崩壊の危機にある。つまり人類絶滅と地球崩壊の危機、つまりは完全にデストピアです。あまりにも深刻で、絶望的な設定なわけです。乗組員たちは、もう帰る家庭や故郷も無い。

 

漫画版は、あくまでも潜水艦やその乗員たちの活躍を描く海洋冒険物語といった感じでしたが、アニメ版は近未来SFといった設定です。

ただ、私はアニメ版を観て、多くの違和感のようなものを感じましたが、失望したかと云うと決してそうではありません。いや、むしろ少なからず大きな衝撃と、新しい発見があり、云ってみればアニメそのものを見直したのです。

アニメ版「青の6号」に登場する悪役は、単なる悪党というより、そちらにもある種の「儀」があり、より深いテーマ性もあり、深く切れ込んでいる印象がありました。単なる勧善懲悪とは云えませんし、正義の側にすら少なからず矛盾もある。

つまりこのアニメは「子供向け」に作られたモノではないと感じ、そして、現代の社会が抱えているのは決して単純ではなく、多くの矛盾も孕んでいることを見事に投影していると感じました。

私はこのアニメ版「青の6号」を観たのをきっかけに、がぜんアニメを観始めました。ほとんどはビデオをバンバン借りてきて多くの名作を眼にしました。そしてこれほど多くの「大人の鑑賞に耐え得る」アニメがあることに気付きました。このとき私は40才くらいになっていました。

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左は漫画版悪の潜水艦ムスカ。右はアニメ版のムスカ。ぜんぜん違う!それもそのはずアニメ版のムスカは人造のクジラです。


例えば、私はエヴァンゲリオンで登場する碇シンジ君や綾波レイなんかを観た際、やはりヒーロー像が昔
とはまったく違うことを思い知らされました。「やはり時代はこんなに変わっていたのだ・・・」と、痛感したのです。彼らに昔のヒーローような強い正義感や戦う大義名分はまったく無い。それどころか彼らが持っている欲求や弱さは普通の若者とほとんど同じで、その心の中に抱えるトラウマは、なんら特殊でも珍しいものではない。

そして私は、この数十年間で若者の気質も意識も、社会が背後に抱える問題もまったく変質してしまったのだということを存分に感じることが出来た。それは私自身にとって新鮮な発見であり、なんだか自分よりずいぶん年下の世代の意識や抱えている悩みも、かすかではありますが理解できるような気がしたのです。

「アニメは社会を映す鏡である」、それは私がアニメを観始めて出した結論のひとつです。漫画もある意味ではそうかもしれませんが、巨額な予算を要するアニメはよりこの傾向が顕著だと思います。

ちょっと大げさな言い方かもしれませんが、たくさんの社会学の本や経済学の本を読むより、一遍のアニメを見たほうが、より生きた社会や本質的な人々の本当の悩みが分かる・・・というのは私の持論です。

「なぜこのアニメは受けるのか、ヒットしたのか・・・」そんな視点でアニメを観るのも、とても面白く観られる要素です。

ですから若い世代の方はそれなりにアニメファンがいるでしょうからともかく、出来れば年配の方々にぜひ現代のアニメを観てもらいたいと願っているのです。ましてはこれからは日本も高齢化社会。年配の方々が、がぜんアニメを観始めたら、かなり世の中は変わってくるのでは、と私は信じてます。

これからも、なるべく年配の方々にもアニメの啓蒙をして行ければと思っています。皆さんもあきらめずにご両親や、お爺ちゃんにすら、観るように勧めてもらえると嬉しいです。そうなると、異世代間のホントのコミュニケーションが生まれるかもしれないと、ささやかな希望を抱いています。

 

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