時間とは何か?-その2-



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以前このブログで、時間とはなにか、について語らせてもらったことがあります。その際のひとつの結論は、きわめて単純に定義するなら、我々人間にとっての時間、そしてこの地球上に生息する生物にとっての時間は「地球の自転」そのものであると、お話しました。地球が一回転する時間を24等分し24時間と定めているわけです。

ですから、北極または南極の真上から静止衛星で地球を観測した場合、地球そのものは時計針(24時間仕様の時針)であると言い換えることもできるわけですよね。つまり一日一回転するわけです(通常の仕様の12時間系の時計の時針は、もちろん一日に二回転です)

さて、現在生きている我々は、もちろん電話とか、きわめて遠い地域にいる人と、同時に話をできることは云うまでもありません。また、新幹線や、飛行機のように、早い速度で物理的に移動できる手段もあるわけです。

ちょっと前に世界標準時のお話をさせていただいた際に、現代は、人類がこういった手段を手に入れたがゆえに、標準時が必要になったと、そして時差も認識されることに触れました。このことについて我々はあまり深く考えたりもしないでしょう。あまりにも当たり前になってしまいましたからね。海外に住む友人や家族に電話して「そっちは今何時?」なんていう会話も、現在ではごく自然です。

でも皆さん、現在私たちが当たり前と思っているこの定義が定まってから、まだ100年も経ってはいないんですよ。長い長い人類の歴史からすると、まだほんのわずかです。

ちょっと考えてみてください。例えば江戸時代のように、汽車も自動車も、もちろん飛行機も無い、それから、むろん電話のような通信手段も存在しなかった時代に、果たして標準時のような概念が必要だと思われますか?

江戸時代には江戸から大阪に行くのも大変な時間がかかりました。もちろんかなりの日数がかかるわけで、馬を飛ばしても、数日間はかかったでしょうね。もっとも時差はわずか2分程度ですけど。

太平洋を船で横断し、アメリカに渡った場合、これも大変な長旅ですが、その際、飛行機で移動した時に感じる時差と云うものを、人間は感じるだろうか? おそらく人間はそんな時差らしきを感じるはずはないでしょう。少しづつ、少しづつ目的地に近づくわけで、時差はその際にほとんど相殺されてしまうでしょう。

昔の人々は、例えば江戸の夜が開け、明るくなった際に、遥か異国はまだ深夜である、なんて想像ができたのでしょうか・・・?少なくとも、確認する手立てはなかったのです。

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想えば、あのヨーロッパの大部分を支配したローマ帝国は、時間というものを、どのようにとらえ、管理していたのでしょうか。恐らく、標準時なんて概念はまったく無かっただろうと推察します。帝国の端から端まで大急ぎで移動したとしても、たぶん何十日間も要したでしょう。

きわめて早く移動できる交通手段や通信機のような同時通話が不可能な時代に、人々にとって「その地」でおきる森羅万象が時間であったと想像できます。真太陽時的な、つまりあくまでその地で太陽がちょうど天空の真上に位置したときが正午。遠く離れた地域との時差なんて認識できるはずも無い。

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そうは云っても、江戸時代の人々は日の出や日没の時間が季節によってずれることは、もちろん熟知してました。その証拠は、日本が明治初期まで採用していた「不定時法」です。大名時計なんて呼ばれる和時計の文字盤の仕組みをみれば、そのことが分かります。不定時法については、いつかこのブログで詳しくお話したいと思っています。(興味のある方は不定時法で検索すると、詳しく説明したサイトが見つかると思いますよ)

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和時計をモチーフにした私の作品「桐竹(きりたけ」です

時間は生物にとって、絶対的のような感じがするけど、あまりにも早い速度で移動したりする手段が可能になると、それは相対的になってくると云ってもいいかもしれません。そしてもし私たちが一歩この地球を離れ、宇宙に飛び出した際、時間の概念はまた違った概念を帯び始めることになるでしょう。

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宇宙のどこかのように、あまりにも遠く離れた場所にいる際、地球と交信しようとしても同時に起きている事象をほとんど同時に認識することも物理的に不可能になるわけです。通信の電波は光速度と同等であり、光速度は有限ですから。地球から呼びかけた通信も、太陽系内の冥王星ですら電波がキャッチできるまでは約5時間半かかるのです。

時間とは、なんと神秘的で不可思議に満ちたものなのでしょうか・・・

 

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