旧暦と新暦



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毎年、日本では年が明け、すっかり正月気分も抜けきったころ、いつもお隣の国から旧正月のニュースが入ってきますよね。中国や香港、台湾などでも旧正月になるとバクチクをならしたりして派手にお祝いをしたりします。日本の静かな正月とはだいぶ、おもむきが違いますね。

さて、同じ正月なのになぜ時期が違うのか?しかも旧正月の時期は新暦で見ると、毎年微妙に違うのです。これは、私たち日本の正月は新暦に基づくものであり、旧正月は旧暦に基づくものだからです。

旧暦と新暦は、もちろん皆さん聞いたことがありますよね。日本も、江戸時代までは旧暦だったのですが、明治5年から新暦になったのです。この年は江戸時代まで時刻の認識の方法として採用されていた不定時法も廃止され、西洋社会と同一の24時間刻みの時間認識になったわけです。これは国家の一大変革だったと推察されます

さて、旧暦というのは、月の動きで日付を、そして太陽の動きで季節を測る「太陰太陽暦」のことです。旧暦の特徴としては、1ヶ月は29日か30日からなり、1年が12ヶ月の年もあれば13ヶ月の年もあるのです。新月の日は1日、満月の日が15日となるわけです。

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これに対し、新暦は、太陽の動きで測る「太陽暦」のことで、グレゴリオ暦とも呼ばれます。これは1年を365.2425日で計算するため4年に1度のうるう年を400年に3回省いて調整するわけです。これが現在ほとんどの国で採用されている暦。我が日本は明治開国以来、国際舞台に船出した直後に旧暦も不定時法も止め、国際社会に合わせる政策を採用したことになります。ですから、それ以来、日本のお正月はあくまで新暦の1月1日です。

ですけど、中国などでは今でも旧正月を、いわば本当の正月として、もちろん日本の正月のように休暇にしているわけです。皆さん、この分かれた2つの選択について、どう思われますか?

むろん、中国などでは海外とビジネスなどの付き合いの際、新暦で20XX年X月X日という記述をしてメールなどの連絡をするわけで、そのへんはちゃんと使い分けているわけです。でも、心情として旧暦の正月を大切な日としているわけですが、私はこの選択は、ある意味で正しい、というか、自分たちの文化や慣習を大切にするという意味では、良き選択だと思うのです。

日本は、国際社会に船出したとたんに国際社会に合わせ、それまでの慣習をきっぱりと切ったわけですが、しかし、ある意味では日本人のしなやかさでもあるのかもしれないですね。日本人は外部から入ってきた価値観や技術を実に巧みに自分たちの生活や社会に受け入れ、そのうちに完全に自分たちの慣習として同化させる。とても器用で柔軟性のある民族性を持っていると思うのです。

日本はいち早くアジアの中で富国を果たし、むろん何度かの戦争という国難にも遭遇しましたが、戦後も先進国の仲間入りをしたわけです。もちろん明治の方々は、それまでの日本の古き良き慣習と、主に西欧から入ってきた新しい価値観をどのようにすり合わせるか、悩み、苦しみながら何とか社会を形成してきたのだろうと察します。

ただ、日本は旧暦を、つまり古い価値観を完全に捨て去ったわけではありません。実は旧暦は、実生活に役立つ情報がいろいろとあることに気付きます。昔は漁民の方々は、どんな日に海に出たら大漁に遭遇できる確立が高くなるとか、農業や、様々な生活でも実質的に役立っていたようで、昔の人々の知恵の泉と云っても過言ではありません。

ですから、今でも旧暦を意識している方も少なくないようです。毎年年末には翌年のカレンダーが売り出されますが、旧暦も記載されたモノとか、新暦と併用できるカレンダーなども売られています。旧暦における季節は24に分けられますが、天気予報などで、「今日は大寒(だいかん)です」、とか「大暑(たいしょ)です」とか云っているのを耳にしたことがあると思いますが、これらはもともと太陰太陽暦、つまり旧暦の用語なのです。

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きっぱりと古い慣習を捨てたようでも、その精神はけっこう受け継いでいる、というのも我々日本の器用さでもあり、精神性の奥深さでもあるように思います。暦以外でももちろん様々なものがあると思います。

世界のルールを無視することは出来ませんが、自分たちの古き良き慣習も大切にする精神も忘れてはならない気がしてなりません。なぜなら、よくよく見つめなおしてみると、そこには現代では及びも付かないような知恵や実用性も見出せたりすることありますから。

日本のみならず古き人々の生み出した古き価値や手法が、もう一度見直してみると、現代のもより合理性と実用性に長けたものであることに気付き、驚かされることは決して少なくありません。

 

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