世界標準時のお話



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皆さん、当たり前のことですが国ごとに「時差」があるのは、もちろん誰でもご存知のはずですよね。

海外旅行で実際に「時差ボケ」に悩まされた方も少なくないかもしれません。お仕事でたびたび海外出張される方にとってはちょっと辛いでしょうね。

ところで、国ごとの時差表なんか見て、一瞬でも不思議に思ったことはありませんか。私が初めて時差表を観たのはだいぶ昔のことですが、殆どは1時間単位の時差だったのです。

例えば、日本との時差としてみると、ニューヨークは-14時間、ブラジルは-12時間、ヨーロッパだと、イギリスは-9時間、ドイツやフランスはちょっとずれて-8時間、中東のサウジアラビアは-6時間。アジア・オセアニアだと香港は-1時間、インドネシアやオーストラリアは時差なしです。

みんなきっちり1時間単位ですが、1部に例外があって、インドは-3:30、イランは-5:30。例外といっても、30分の刻み。つまり殆どは1時間単位か30分の加算。(ごく稀に15分というところもありますが)

私が最初にちょっとだけ「オヤっ」と感じたのは、それぞれの都市が、ちゃんと1時間ごとに位置してしているのだろうか、ということです。もちろん、これはきっと何らかの取り決めによって、決定しているのでは、と想像しました。

時差を決定するのは、経度の位置であるのはご存知の通りです。でもそれぞれの都市の中心がきっちり1時間単位の経度になるはずがありません。これは「便宜上」そのように決定されているのです。そう、それが世界標準時ですよね。経度 0度はイギリスのグリニッジ・ビレッジ、ここが世界標準時の中心なのですね。

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アメリカのように国土の非常に大きい国では1国の中でも時差があります。ニューヨークとロサンジェルスでは3時間の時差があります。日本は、つまり日本標準時は1つだけです。そしてその中心は兵庫県の明石市にあることも皆さんご存知でしょう。

そうです。イギリスのグリニッジからジャスト9時間の経度に位置するのが明石市というわけで、ここの経度から換算し、日本の標準時としているわけです。ですからそれぞれの国や都市でも、便宜上だとしても、どこかにその標準の街などが存在しているはずです。

日本はアメリカなどに比べると、国土的にはそれほど大きくはありませんので標準時はたった1つですが、それでも沖縄の那覇市と北海道の根室市では17.9度の経度の差があります。これをいわゆる時差に換算すると、日本の最南端と最北端ではゆうに1時間以上の時差があるのです。それを強引に1つの日本時間に取り決めているわけです。

この世界標準時が実際に使われ始めたのは1935年です。世界の国際化に伴い、この標準時が必要になったわけです。もちろんこれには時計そのものの発展と、通信機器、交通手段などの発達があってこそであることは云うまでもありません。

ではそれ以前はどうしていたのかというと、もちろんそれぞれの国内で時間の概念を共有していたと思いますが、例えば江戸時代なんかには日本標準時のような考え方は存在していなかったのは確実です。つまり、「真太陽時」という概念で暮らしていたのだと思います。太陽がちょうど天空の真上に来た瞬間こそが正午である、という概念。それは、それぞれの地域で認識していたと思います。

江戸時代(以前)には早く移動できる交通手段も、電話などの通信伝達の手段ももちろん存在していませんでした。ですからその真太陽時で生きて行けば、何も問題はなかっと思いますし、それで十分だったと想像できます。沖縄の住民がお昼と判断してお弁当箱を開けるのと、北海道の方がお弁当箱を開くのは、1時間以上もずれていたはずです。

実は、私はこれこそが人間が時間を認識し生きていくうえではもっとも正しいと考えています。人間も自然の一部ですし、この地球も自然の一部。けれど私たちは国際化という世界の流れに取り込れ、世界標準時で生きることを強要されていると云ってもいいでしょう。それは世界中の人々もまったく同様です。

もしあなたが、真太陽時的な生き方を望むなら、日時計をご利用下さい。太陽が真上に来た瞬間、つまり日時計が0度(12時)を指した瞬間がお昼です。もし日時計をお持ちでなかったら、それぞれのお住まいの地域と明石市との経度差(時差)を認識しておけば良いわけです。

例えば東京にお住まいなら、約-19分。つまり時計が正午を指してから19分後がお昼の時間。青森でしたら約-23分、大阪でしたらわずかですが、-2分、九州は長崎の方なら+20.5分。

こうすれば、私たち人間はもっとも自然に近く、そして人間的に生きていけるはずです。

技術の進歩は時として私たちに窮屈さをもたらしますが、あまりそのことに気付かないのが問題かもしれませんね。

 

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